誠実だぞ、ヒルズコルゲート(株)。

 夏のあいだ、ずっと日記で猫たちがドライフードを食べなくなったと嘆いていたのを覚えているだろうか。それまでよく食べていたドライフードを全く食べなくなり、別の会社のドライフードを与えたら、よく食べるようになった。これは、夏の暑さでフードがいたんだかな、と思って、新しいのを与えたら、やっぱり食べない。缶詰にまぜると、缶詰だけ食べてドライは食べない。ものすごくおなかがへっている声を出しているのに、ドライを出すとニオイを嗅いだだけで逃げる。あまりにもおかしい、というので、ついにヒルズコルゲートに文句言ってしまいました。
 まず手紙にこれまでの経緯を箇条書きにします。
 ・4匹の猫が同時に食べなくなったこと。
 ・ニオイを嗅いだだけで逃げること。
 ・他社のドライフードは喜んで食べること。
 ・夏なので体力を落とさないために他社のフードを与えつづけ、そろそろ嗜好が戻ったあたりで
  もとのドライフードにしても食べないこと。
 ・封切りでも食べないこと。
 買った時期、買った店舗、製品のナンバーとバーコードのナンバーも明記。
 ついでに食べなかった製品をジップで閉じるパックに入れて同封して、なにかおかしなものが混ざっていないか調べて欲しいと書き添えました。
 こちらの保管に落ち度があるかもしれないので、保管の方法も明記。
 わが家では、戸棚のなかで密閉容器に市販の乾燥剤(シリカゲル)を入れて保管してます。

 すると、一週間ほどして、大きな小包がヒルズコルゲートから届きました。
 封を開けると、中には文句言ったドライフードがきっちり2袋入っていました。3キロ入りのサイエンスダイエットフッシュ味2袋。おお、6キロ。
 中には丁重なおわびの文書と、調査の依頼のあったフードについてはこれから検査にまわすとありました。実は、未だにこのフードは猫たちがあまり喜ばないので、困っているんですが、とにかく迅速な対応にびっくりです。ついでながら、こちらが負担したクレームの手紙の送料もきっちり入っていました。
 で、とりあえずおわびだけしておいて、まさかきっちり検査はしないだろうなぁと思っていたわけです。

 ところがどっこい、それから2週間ほどして、またヒルズから封書が届きました。
 中には、検査したところ製品的にはヒルズの品質基準の範囲内であったことが書かれてありました。さらに、4匹の猫が同時に食べなくなった点について、以下のような文章が書かれていました。
原文のままです。

『弊社では「必要以上の添加物をしようしない」という製品コンセプトに基づき、人工の着色料・香料を使用しておらず、全て天然のものを使用しています。原材料として使用されています肉や穀類は、収穫された時期や場所によりその風味や色合いが微妙に変化いたします。敏感な動物のなかには、時としてこの際を感じることもあるようです。今回お申し出の件は、これに該当するものと思われます。しかしながらこれらは製品の栄養価、品質に影響を及ぼすものではありませんので、どうかご安心いただきたいと思います。
 弊社では、このようなバラツキをできる限りなくすよう改善努力を続けておりますが、今回のようなことでお客さまにご心配をお掛けする結果となり、誠に申し訳なく改めまして心より深くお詫び申し上げます。』


 ああ、ものすごく誠実だ、ヒルズコルゲート!
 でも、いきなりまったく違った風味や色合いの他社のドライフードは喜んで食べたんだよぉぉ。
 それはそうとして、できあいの印刷文書ではなく、わざわざ個人のために打ち込んだらしい文書としっかりと検査したらしいことに感激しました。こちらの保管の方法が悪いとか、猫が4匹揃って好き嫌いしたのだ、といった、消費者のせいにしない態度もよいものがあります。

 さらに、封書と同じ日に今度はヒルズの新製品の缶詰が3缶届きました。
 モニター依頼とあって、こちらのクレームとは無関係を装っていましたが、タイミング的に、お詫びの意味も込めているんだろうなぁと思います。

 結果的には、猫の食べないドライフードが6キロと猫の缶詰3缶が手元に来て、なぜいきなり夏になったらうちの4匹が今まで好んで食べていたドライフードが嫌いになったのかという原因ははっきりとはしなかったのですが、たかがネコエサとはいえ、消費者を大切にしている会社の対応にクレームを出してよかったな、と思ったしだいです。
 今後もできればヒルズの製品を使いたいんだけど、フィッシュじゃなくて、チキンなら食べてくれるのかなぁ、うちのチビどもは。

 その会社が信用できる会社かどうか、もし疑問を感じることがあったなら、一度きちんとクレームとして出してみるのもいい手段だな、と感じた出来事でした。

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