もくじ
第一部

序章 ヤマトとモモ
第一章 蝶よ花よ、チョビちゃんよ
第二章 黒い稲妻来る
第三章 母、大いに泣く
第四章 拉致された緑の目
第五章 なんで、『のっぷぴ』?
第六章 お引っ越しは災難だ
第七章 じいちゃんとばあちゃんは優しいよ
第八章 ついに『のっぷぴ』のお城だ

第九章 必ず来る悲しいこと
第十章 ペットロス症候群 
第十一章 新しい仲間
第十二章 お姉ちゃんたち、弟と妹だよ 
最終章  『のっぷぴ』は続く

第二部
序章 それから変わりのない日々
第一章 ぷーちゃん闘病記
第二章 子猫ください
第三章 キャラ子登場
第四章 魚アレルギー

第五章 ひとつの歴史が幕を閉じる
第六章 どうしてもダメなこと
第七章 豆ちょ参上
第八章 子猫をしつけるということ
 

序章  ヤマトとモモ

 1989年、まだ『んがお』さんちが東京都国分寺市にいたころからのっぷぴの歴史は、はじまります。
 そろそろ冬も本格化した寒い朝、不燃ゴミのバケツの中で、なにか物音がしました。
おそるおそる覗いて見ると真っ黒い子猫がいたのです。かねてから猫を飼いたいと思っていた『んがお』Rさんは、つい、拾ってしまったのです。
 それが、ヤマト。
 『んがお』さんちの最初の猫です。
 本格的に猫を飼ったことのないRさんは、とりあえず猫を洗い、牛乳を飲ませて、そのまま仕事に出掛けてしまいました。その夜、ヤマトは、熱を出し、慌てて動物病院につれていかれましたが、子猫のこと、体力がなく、帰っては来ませんでした。
 なにも知らない飼い主にかわって徹夜で処置してくれた国分寺動物病院のお医者さんとのお付き合いはここからはじまりました。
 あまりにも短いヤマトとの出会いが悲しくて、新しい子猫をお医者さんにお願いしたところ、すぐに連絡が来ました。5匹きょうだいのなかの美人な女の子、
 それが、モモ。
 尻尾が長くて、賢そうな子猫でした。
 しかし、家につれて来るなり、激しいてんかんの発作が。
 どう考えても猫初心者で家も留守がちな『んがお』さんちでてんかんのある子猫を飼えるわけがありません。
 であるならば、母猫と一緒に過ごせたほうがモモのためと思い、動物病院に連絡。もとのお家に戻って行くことになりました。
 モモをつれて動物病院に行くと、保温機の中に少し図体の大きな子猫がいました。
 おや、と思いながら先生に尋ねると、モモときょうだいだということ。
 そういえば、写真を見せられた時一緒に写っていたきょうだいたちのなかで、この子猫ならいらないな、と思った少し大きい猫がいたのを思いだしました。
「その子ね、マンガ家さんのところにもらわれて行ったんだけど、原稿におしっこばっかりして、返されて来てしまったんだよ。」
 先生の言葉に同じ日に動物病院に返されて来た運命みたいなものを感じてしまいました。
 それが、チョビ。
 『のっぷぴ』の、『の』です。
                                  第一章  蝶よ花よ、チョビちゃんよ  につづく

つづきへ
トップに戻る