1989年、まだ『んがお』さんちが東京都国分寺市にいたころからのっぷぴの歴史は、はじまります。 そろそろ冬も本格化した寒い朝、不燃ゴミのバケツの中で、なにか物音がしました。 おそるおそる覗いて見ると真っ黒い子猫がいたのです。かねてから猫を飼いたいと思っていた『んがお』Rさんは、つい、拾ってしまったのです。 それが、ヤマト。 『んがお』さんちの最初の猫です。 本格的に猫を飼ったことのないRさんは、とりあえず猫を洗い、牛乳を飲ませて、そのまま仕事に出掛けてしまいました。その夜、ヤマトは、熱を出し、慌てて動物病院につれていかれましたが、子猫のこと、体力がなく、帰っては来ませんでした。 なにも知らない飼い主にかわって徹夜で処置してくれた国分寺動物病院のお医者さんとのお付き合いはここからはじまりました。 あまりにも短いヤマトとの出会いが悲しくて、新しい子猫をお医者さんにお願いしたところ、すぐに連絡が来ました。5匹きょうだいのなかの美人な女の子、 それが、モモ。 尻尾が長くて、賢そうな子猫でした。 しかし、家につれて来るなり、激しいてんかんの発作が。 どう考えても猫初心者で家も留守がちな『んがお』さんちでてんかんのある子猫を飼えるわけがありません。 であるならば、母猫と一緒に過ごせたほうがモモのためと思い、動物病院に連絡。もとのお家に戻って行くことになりました。 モモをつれて動物病院に行くと、保温機の中に少し図体の大きな子猫がいました。 おや、と思いながら先生に尋ねると、モモときょうだいだということ。 そういえば、写真を見せられた時一緒に写っていたきょうだいたちのなかで、この子猫ならいらないな、と思った少し大きい猫がいたのを思いだしました。 「その子ね、マンガ家さんのところにもらわれて行ったんだけど、原稿におしっこばっかりして、返されて来てしまったんだよ。」 先生の言葉に同じ日に動物病院に返されて来た運命みたいなものを感じてしまいました。 それが、チョビ。 『のっぷぴ』の、『の』です。 第一章 蝶よ花よ、チョビちゃんよ につづく |
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